オリーブオイルとニンニクが決め手の魚入りあっさりシチューを作る
一般的にカサゴと呼んでいる魚は、カサゴ目フサカサゴ科の魚だ。四国方面では「ガシラ」、九州方面では「アラカブ」と呼ばれることが多い。沖釣りで釣れるカサゴ類には多くの種類があるが、全般的にとてもおいしく食べられる。
このの料理は豆乳を使った洋風の鍋で、カサゴ類の赤と豆乳の白のコントラストが美しく、味も抜群。是非試してほしい。
[材料](4人前)
カサゴ類(25cm級) - 2尾
オリーブオイル - 適量
ニンニク - 1カケ
タマネギ - 1個
豆乳 - 800cc
塩 - 適宜
ジャガイモ、ブロッコリーなど - 各種適宜
さばき方・作り方
カサゴ類は、一般的な種類の小型のものであっても、背ビレに毒を持っていることがあるので、十分注意して調理しよう。なお、鍋料理などでは、中骨や頭も一緒に入れるとおいしいだしが出るので、ぜひ、アラも活用してほしい。
①カサゴ類は、頭を落とし、内臓を出したら、包丁の先を使って腹膜の黒い部分もきれいに取り除く。なお、さばく前に、ハサミなどでヒレを落としておくと安全だ。
②腹のなかをきちんと洗ったら骨付きのまま、適度な大きさのぶつ切りにする。
③頭の付け根部分をしっかりまな板につけ、口の中央に出刃包丁を入れると、案外すんなりと頭が割れる。
④オリーブオイルと、つぶすかみじん切りにしたニンニクを土鍋に入れたら、火を付けて炒める。ニンニクの香りが出てきたら、荒みじんに切ったタマナギを入れさらに炒める。
⑤タマネギが透き通ってきたら、ぶつ切りにした身を入れ、さらに炒める。
⑥魚の表面に火が通ったところで豆乳を加え、弱火で煮る。カサゴ類は身離れがよいので、火が強いと崩れすぎる。なお、豆乳は調整、無調整のどちらでもよい。
⑦表面に張った膜やアクをていねいに取り、最後に塩で味を整える。
⑧別ゆでしたブロッコリーや青菜、小吹きイモなどを入れた皿によそって完成。仕上げにパルメザンチーズを振りかけてもよい。
カサゴの豆乳仕立てリゾット風
淡白な味のカサゴ類は、ちょっとコクがある豆乳との相性は抜群だ。そんな鍋を楽しんだら、締めはリゾット風にしよう。
豆乳を使ったスープなので、和風の鍋のあとに作る増水の様に溶き卵を入れたりはしない。そのかわりパルメザンチーズを振りかけ、最後に万能ネギを散らして完成。
あっさりしたなかにも魚の旨味が凝縮されていて、ついついお代わりしたくなるはずだ。
[材料](4人前)
カサゴ類(25cm級) - 1尾
オリーブオイル - 適量
塩、コショウ - 適量
ご飯 - 適量
パルメザンチーズ - 適宜
A.鍋の具をすべて取り出したら、残ったスープにご飯を入れるだけと、作り方は至って簡単。
B.骨を取り除いた切り身に塩、コショウで軽く味を付け、これをオリーブオイルでグリルしたものを載せると鍋の残りで作ったとは思えない、ちょっと豪華な一品に仕上がる。
【料理監修:森山 利也】
千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。
【協力:株式会社 舵社】
参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html
4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。
*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)