
日本産のキス類としては、キス属のシロギス、ホシギス、モトギス、アトクギス、アオギスの5種がいる。
このうちホシギスは、種子島以南に分布する南方系のキスの仲間で、とくに奄美諸島や沖縄周辺ではポピュラーな種類である。世界的には日本を北限として、台湾、フィリピン、インド、オーストラリアなどにも広く分布している。
日本産南方系のキス類としては、ほかにモトギスがおり、こちらも沖縄本島以南に分布する。モトギスは河口周辺を好んで棲息するため、近年ではダム工事などによる河川や河口の環境変化により、数が減っているとみられる。また、アトクギスはもともとインド洋・西大西洋に分布しており、日本にはいないとされていたが、2001年に西表島で確認された。日本では希少種であり、なかなか目にすることはない。