
「マグロ」とは、硬骨魚綱スズキ目サバ科に属するマグロ属の魚類の総称である。カジキマグロ(カジキの俗称)やイソマグロは和名にマグロを含むが、学術上はマグロ属ではなく、通俗名(梶木鮪、磯鮪、など)を引き継いだものだ。
マグロ類は7種が知られている。そのなかで、クロマグロ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ビンナガ、メバチ、キハダ(キワダ)の5種は、太平洋・インド洋・大西洋に分布する世界共通種で、コシナガはインド洋~西太平洋、タイセイヨウマグロは西大西洋のみに分布する。
そして、この7種のなかで、もっとも大きく育ち、市場性が高く、グルメ度に優れ、なじみ深いのが本種・クロマグロである。なお、分類上では、大西洋産のタイセイヨウクロマグロと同種、またはタイセイヨウクロマグロの亜種とする見解もある。
クロマグロの主な分布域は、北半球の海域で、日本の沿岸を含む温帯~亜寒帯の一部にかけて棲息する。北太平洋では、分布の北縁は南千島~カナダ南部沿海、北大西洋ではニューファンドランド~ノルウェー沿海にかけてとなっている。