カワハギの肝和え、煮付け

カワハギの肝和え、煮付け
  • 分 類フグ目カワハギ科カワハギ属
  • 学 名Stephanolepis cirrhifer
  • 英 名Thread-sail filefish
  • 別 名ハゲ、ハギ、バクチ

釣りシーズン ベストシーズン 釣れる

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

料理

肝のうまさがたまらない

カワハギの料理はなんといっても肝が決め手。鮮度が命の肝を使うので、やはり釣ってきた魚が最適だ。

カワハギは他の魚と同様、きちんと冷やして持ち帰ろう。氷をたっぷり用意したクーラーに海水を入れて庫内を冷やしておき、その中へビニール袋などに入れたカワハギをいれればOKだ。

持ち帰ったら出来るだけ早く皮をはぎ、内臓を出そう。雑食性の魚なので、内臓がいつまでも腹に入っていると、そこから臭みが出てしまう。
特に肝を食べたいので、その処理は迅速に行う。なお、肝にはニガ玉(胆のう)が付いていて、これが破れると全体が苦くなってしまって台無しになる。
肝を扱うときは、肝自体もつぶさないように注意しつつ、このニガ玉をきちんと取り除こう。

カワハギは身はがれも良く、小骨も少ないので、調理しやすく食べやすい魚だ。フグの仲間だから刺身も美味。今回作った「肝和え」(「とも和え」ともいう)も美味だが、身を薄造りにして肝を醤油に溶いて食べる「肝醤油」も最高においしいので、是非ためしてほしい。

●材料/2人分

20センチ級カワハギ・・・・・1尾
大葉・・・・・・・・・・・・2枚
ワケギ・・・・・・・・・・・適量

カワハギの捌き方と、肝和えの作り方

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①口の先端とツノを切り落とし、口の部分に横に包丁で切れ目を入れ、そこから皮をはぐ。

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②右側の腹に包丁目を入れ、内臓、肝を取り出す。煮付けも、ここまでの手順は同じ。包丁を右側に入れるのは、煮付けを盛り付けたときに包丁目が隠れるようにするため。

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③全体を水洗いして水気を拭き取り、頭を落としたら三枚におろす。続けて、血合い骨の部分を取り除きながら半身を二節に切り分ける。

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④節取りした身は、細めの糸造りに。肝醤油で食べる場合は、この段階で薄造りにする。

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⑤肝を扱うときは、つぶさないように丁寧に。写真左側に見えるのがニガ玉。これをつぶしてしまうと料理全体が台無しになるので気をつけよう。

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⑥肝を包丁で叩き、ネットリさせる。こうすることで、肝のなかの細かな繊維が切れて、口当たりが良くなる。

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完成 ④と⑥をボウルに移してよく和え、大葉を敷いた小鉢の上に盛る。その上に、彩りとしてワケギの小口切りなどをあしらっても良い。ほんの少し醤油をたらしていただこう。

カワハギの煮付けの作り方

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前述のようにカワハギは身離れが良く、皮を剥いで調理するので食べやすく、魚嫌いの子ども達が魚好きになるチャンスなので、ぜひ食べさせてほしい。

●材料/2人分

18センチ級カワハギ・・・・・1尾

煮汁
砂糖・・・・・・・・・・・・50ml
酒・・・・・・・・・・・・・50ml
醤油・・・・・・・・・・・・50ml
みりん・・・・・・・・・・・50ml
水・・・・・・・・・・・・・50ml
*調味料と水は、すべて同量

ショウガ・・・・・・・・・・適量
三つ葉など・・・・・・・・・適量

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①カワハギの下処理は、肝和えの手順②までと同じ。水洗いして水気を取ったら、腹の中に肝を戻しておく。魚がひたひたになる程度の煮汁と薄くスライスしたショウガ数枚を浅い鍋に入れて火にかける。沸騰したところでカワハギを入れ、アルミホイルで落し蓋をして強火のまま煮る。

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②身が全体に白くなったら弱火にし、もう数分煮る。外側が飴色で、なかの身は白い程度を目安に、煮すぎないように注意しよう。煮上がった魚を皿に取ったら、煮汁だけを煮詰めてとろみを付ける。

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【料理監修:森山 利也】

千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。


【協力:株式会社 舵社】

参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html

4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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