ケンサキイカの刺身、姿寿司、沖漬け

ケンサキイカの刺身、姿寿司、沖漬け
  • 分 類ツツイカ目ヤリイカ科ヤリイカ属
  • 学 名Loligo edulis
  • 英 名Swordtip Squid
  • 別 名マルイカ、アカイカ、ダルマイカ、マイカ、シロイカ

釣りシーズン ベストシーズン 釣れる

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料理

身の柔らかさと独特な甘みがこたえられない! ケンサキイカの刺身

釣れるときに釣らなければならないのがイカ釣り。大きな群れに当たれば釣ることに集中し数を稼いで、釣れたイカをクーラーに保存するのは後回し。
船内に取り込んだイカは取りあえずイケスなので生かしておき、釣れなくなったときにまとめて処理しよう。

イカは、水の中で死んでしまうと白くなるし、氷に直接当ててもダメ、真水に触れてもダメ。持ち帰る時は、水を吐かせてから冷凍保存用のファスナー付きの袋に入れ、それからクーラーにしまうと鮮度を保ったまま持ち帰れる。
そんなイカ類のなかでもケンサキイカの食味の良さはダントツで、イカ好きで有名な日本人なら、ケンサキイカをまずいと言う人はいないだろう。

伊豆諸島の新島などでは、青物の泳がせ釣りのエサとして重宝されるが、魚に食べさせるのがもったいないとさえ感じる。
刺身に焼き物、煮物に干物、どうやって食べてもおいしいケンサキイカだが、なかでも新鮮な刺身は絶品! 透明感のある身の独特な甘みを堪能したい。

ケンサキイカの刺身の作り方

独特の甘みを持つケンサキイカは、数あるイカ類のなかでも抜群のうまさといわれる。
今回は、新鮮なケンサキイカならではの透明感が楽しめる刺身を作ってみよう。クラッシュアイスを敷いた皿に盛れば目にも涼しげで、夏にピッタリの一品だ。

・材料・3人分
25cm級ケンサキイカ 2尾
大葉 適量
クラッシュアイス 適量

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①目がある側(漏斗が付いているのと反対側)を上にして、胴の裾から指を入れ、胴と頭がつながった部分を外す。

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②頭(目がある部分)をつまんで、内臓を引き抜く。このとき、内臓と一緒に出てくる墨袋を破らないように注意。

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③胴のエンペラ側に入っている軟甲を引き抜いたら、身が白く濁らないよう塩水を入れたボウルで全体をきれいに洗う。ここまでの下処理は、下の姿寿司を作る際も同じ。

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④胴のエンペラと反対側の中央を切り開き、なかの汚れを包丁でこそげ取る。

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⑤新鮮なイカなら、裾のほうをつまむと比較的簡単に皮がむける。続けて身からエンペラを外し、これも皮をむく。

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⑥身の内側にある薄皮は、ペーパータオルを使うとむきやすい。

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⑦ゲソの部分は、頭の目と目の間に包丁を入れ、目と口(カラストンビ)を取り除く。目を潰してその汚れが衣服に付くと取れなくなるので要注意。

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⑧縦半分に切った身の表に、斜めに包丁目を入れる。その後、細く切って更に盛り付ければ完成。

ケンサキイカの姿寿司と沖漬け

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釣りたての新鮮なイカの味を楽しめるのは釣り人の特権。新鮮なケンサキイカならではの味わい方を紹介しよう。

ケンサキイカの姿寿司

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内臓と軟甲を取り除き、内側をきれいに洗った胴のなかに、市販の寿司酢としょうがのみじん切りを混ぜた寿司飯を詰めるだけで、皮をむく必要はない。これに醤油をつけて食べると、お弁当がいらなくなる。寿司飯と醤油を用意しておけば、凪の日なら船上でも楽しめる一品だ。

ケンサキイカの沖漬け

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釣れたてでないとできない一品。漬けだれ(醤油 : みりん : 酒=1 : 1: 0.5 を、一度煮立てて冷ましたもの)をあらかじめ用意しておき、そこに水を吐かせた生きたイカを漬け込むと、イカが漬けだれを吸ってしっかり味がしみ込む。軟甲だけを抜き取って冷凍し、凍ったまま輪切りにしたものを半解凍の”ルイベ”状態で食べると絶品。マツイカに混じって釣れるムギイカ(スルメイカの子ども)で作ると、肝が詰まっていて、これまた美味。

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【料理監修:森山 利也】

千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。


【協力:株式会社 舵社】

参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html

4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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