タチウオの天ぷら、チャンジャ風

タチウオの天ぷら、チャンジャ風
  • 分 類スズキ目タチウオ科タチウオ属
  • 学 名Trichiurus lepturus
  • 英 名Largehead hairtail、Sabel fish
  • 別 名タチ、ハクナギ、サワベル

釣りシーズン ベストシーズン 釣れる

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料理

ふんわりとした白身とサクサクの衣は相性抜群 - タチウオの天ぷら

太刀のような姿だから、あるいは、立ち泳ぎをするからと、名前の由来がいろいろあるタチウオは、その釣り味と食味の良さに
リピーターが増え、すっかりメジャーな釣り物になっている。船釣りでは冬場のイメージが強いタチウオだが、東京湾では
古くから「カッタクリオモリ」と呼ばれる鉛で出来た和製ルアーの上下にカットウバリを付けた、メタルジグの様な仕掛けを
使って、夏の浅場の釣りが行われていた。また、味の好みも分かれるところで、冬の脂が乗ったものよりも、夏のさっぱりした
ものが好きという方もいる。下ごしらえが簡単で、おすそ分けしても喜ばれるタチウオは、どのように食べてもおいしい魚だ。
釣りがこれだけ盛んになれば、レシピもいろいろ増えるはず。最近は、船上でタチウオを干している遊漁船もよく見かける。
しゃぶしゃぶや炙りもおいしいので、いろいろな食べ方に挑戦してみてほしい。

タチウオのさばき方 & 天ぷらの作り方

タチウオはさばき方が簡単な魚だ。ただし、中骨が結構太いので、普通の魚のように三枚おろしにすると、骨に身がたくさん
残りがちだ。そこで、適度な長さの筒切りにしたら、五枚おろしの要領でさばくのがポイント。
熱いうちに、さっぱりした塩で食べるのがおすすめだ。

●材料/4人分
太刀魚(指3本サイズ)・・・・2尾
天ぷら粉(小麦粉でも可)・・・1カップ
卵・・・・・・・・・・・・・・1個
冷水・・・・・・・・・・・・・1カップ
氷・・・・・・・・・・・・・・数個
塩・・・・・・・・・・・・・・適宜

タネも衣もよく冷やすのがカラッと揚げるポイント

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①頭を落とし、肛門の部分で切り分けたら、内臓を処理する。端の部分を包丁の刃先で押さえ、身のほうを動かすと、簡単に取り除ける。

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②一つ15センチ程度の筒切りにして準備完了。塩焼きなどにする場合は、このまま調理する。

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③中骨の上に包丁を入れたら、その切れ目から五枚おろしの要領で背側と腹側の身を取っていく。このとき、ヒレの周りの小骨も一緒に取り除く。

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④切り分けた身から皮を引く。皮を引いた身は、乾燥しないようにラップをかけるなどして、冷蔵庫で冷やしておく。

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⑤4に天ぷら粉または小麦粉をまぶす。この粉をそのまま衣にすれば無駄がない。

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⑥天ぷら粉または小麦粉に冷水と合わせた溶き卵を加え、さっくり混ぜ合わせる。混ぜすぎて粘りが出ないように注意。なお、氷を数個入れておくとカラッと揚がる。

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⑦揚げ油の温度は180度程度が目安。箸で衣を落とし、すぐに浮き上がってくればよい。

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⑧油の温度が下がりすぎないよう、一度に揚げるのは油面の半分程度にとどめる。タネが浮き上がり、泡が小さくなって、衣がカラッとしたら出来上がり。

タチウオのチャンジャ風

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夏場のタチウオの数釣りを楽しんだときは、暑い季節にうれしいピリ辛の肴を作ってみよう。韓国料理のチャンジャとは、本来、塩漬けにしたタラの胃袋を、ゴマ油、ニンニクに漬け込んだ、いわばタラの塩辛のこと。
あっさりとした白身で、新鮮な刺身ならプリプリの歯ごたえも楽しめるタチウオは、こうした料理にもピッタリだ。

●材料/4人分
太刀魚(指3本サイズ)・・・・1尾
塩・・・・・・・・・・・・・・適量
ニンニク・・・・・・・・・・・2片
豆板醤・・・・・・・・・・・・大さじ2
砂糖・・・・・・・・・・・・・大さじ1
ゴマ油・・・・・・・・・・・・大さじ1
ニョクマム・・・・・・・・・・適宜

ちなみに、唐辛子系の味付けの際には、砂糖をやや多めに入れると、角が取れた辛味が引き立つ。また、ニョクマム(ベトナムの魚醤)は、なければ入れなくても構わないが、適量入れることで旨味が加わり、より奥深い味になる。酒が進む、左党には見逃せない一品だ。

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作り方はいたって簡単。細切りにした身に塩をして30分ほどなじませる。

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その後、おろしニンニクと豆板醤、砂糖、ニョクマムを加え、よく和える。味がなじんだら、小鉢に盛り付け、白ゴマを振って出来上がり。

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【料理監修:森山 利也】

千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。


【協力:株式会社 舵社】

参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html

4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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