
ハゼの仲間は非常に種類が多く、現在では魚類の8%、およそ2,200種が確認されている。そのなかで、日本人にとってもっとも親しみのある種が、本種のマハゼである。
マハゼは北海道から種子島まで分布し、国外では朝鮮半島と中国の沿海地方に棲息。近年はアメリカ・カリフォルニアやオーストラリア・シドニーにも定着しているが、これは船舶のバラスト水などによって運ばれたものと考えられている。
東京湾では昔から江戸前の魚としてポピュラーだが、水質が悪化した昭和40年代には一時期、その数を減らした。現在では数が増えたとはいえ、干潟の消失などにより、かつての状態とはほど遠いといわれる。