照り焼きソースで、子どもも大喜び!イシモチのハンバーグ風
練り物の材料となることが多いイシモチだが、さまざまな料理でおいしく食べられる。
これぞ釣り人の特権という食べ方が刺身。身に水分が多く、鮮度が落ちやすいものの、しっかり締めて持ち帰ればおいしくいただける。
ここでは、子どもが大好きなハンバーグをイシモチ使って作る「魚のハンバーグ」を紹介しよう。
大人向けにはショウガを利かせ、醤油をかけて食べるのがお勧めだが、今回はより子どもたちが喜ぶように、照り焼きソースで仕上げてみた。
なお、イシモチを料理する際のポイントは、ウロコを落としたあとに、包丁でヌメリをとること。
そうすることで、魚臭さを抑えることができる。
イシモチのハンバーグ風の作り方
練り物の材料としても知られるイシモチは、サッパリした白身が特徴。
たくさん釣れることもあるが、身が水っぽく柔らかい。今回のハンバーグ風の場合、保存するなら、焼いたあとで冷凍するのがオススメ。
なお、ウロコを落としたのちに皮の表面をこそげることで、臭みを防げる。
●材料/4人分
イシモチ(25センチ級)・・・・・8尾
タマネギ・・・・・・・・・・・1/2個
卵黄・・・・・・・・・・・・・1個
小麦粉・・・・・・・・・・・・少々
塩、コショウ・・・・・・・・・適量
サラダ油・・・・・・・・・・・適量
①ウロコを落としたら、包丁の先で全体をこそげるようにして、表面の銀色の色素を取り除き、水洗いする。これが臭みの原因となる。
②頭を落とし、内臓を処理したら、三枚におろす。その後、腹骨周辺の汚れもきれいに取り除く。これも臭みを出さないためのひと手間。なお、腹骨、血合い骨は取らなくてもよい。
③糸造りのように細切りにしたのち、細かなミンチ状に叩く。細かな骨が気にならなくなるよう、十分に叩くこと。
④全体をミンチ状にしたら、タマネギのみじん切り、つなぎの小麦粉、こってり感をプラスするための卵黄を加える。
⑤④をさらに叩いて、よく混ぜる。粘りが出て、全体がまとまってきたらOK。下味として、少量の塩、コショウを加える。
⑥手に薄くサラダ油を塗って、⑤を形良くまとめ、火の通りをよくするために中央を少しくぼませておく。今回は全量をひとまとめにしたが、1人分ずつ小さくまとめてもよい。
⑦熱したフライパンに、サラダオイルを敷いて⑥を焼く。焼き方はハンバーグと同じ。中火で中まで火を通す。表面の周囲が少し焦げる程度にして香ばしさが出たら焼き上がり。
⑧酒、みりん、砂糖、醤油に、すりおろしたショウガを加えて鍋で沸かし、水溶き片栗粉でとろみを付けた照り焼きソースをかけて完成。このほかに、おろしポン酢などの和風ソースもマッチする。
イシモチの酒蒸し
蒸し物は、魚の旨味を100%楽しめるところが魅力。
蒸し器を使うのは少々手間だが、電子レンジを使えば、たっぷりの野菜と一緒に、手軽にできるメニューだ。
●材料/人分
イシモチ(30センチ級)・・・・・・・・・・・・・2尾
野菜(白菜、タマネギ、ニンジン、キノコ類)・・・適宜
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
ポン酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
イシモチの酒蒸しの作り方
頭を付けたままエラと内臓を処理したイシモチは、飾り包丁を入れたら、キッチンペーパーを敷いたバットなどに置いて、下味を付け、余分な水分を出すために軽く塩を振り、ラップをかけて冷蔵庫に30分ほど置いておく。
皿に白菜を敷き、その上にイシモチを乗せ、周りにキノコ類(シメジ、エノキ、シイタケなどお好みで)と、彩りのニンジンなどの野菜を置いて、最後に日本酒を振りかける。これをラップで包み、電子レンジで10分ほど加熱。加熱時間は、ときどき様子を見ながら調節しよう。
全体に熱が入り、串がスッと通るようになったら出来上がり。ポン酢などのサッパリした付けダレで召し上がれ。なお、小型のイシモチは、まるごと唐揚げにしてもおいしく食べられる。
【料理監修:森山 利也】
千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。
【協力:株式会社 舵社】
参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html
4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。
*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)