ノベ竿で楽しむ管理釣り場のウキ釣り

ノベ竿で楽しむ管理釣り場のウキ釣り
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釣り方

川釣りで人気の高い対象魚のひとつが「ニジマス」。とくに、管理釣り場のニジマスは小学生でも簡単に釣ることができて、食べてもおいしいのが魅力だ。本項では、家族連れやカップル、仲間同士で手軽に楽しめるニジマスのウキ釣りについて解説していこう!

●ニジマスが釣れる管理釣り場について

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管理釣り場というのは、河川の特定のエリア、あるいは自然の湖沼や人工的に造られた池などに魚を大量に放流して、有料で釣らせてくれる施設のこと。管理釣り場によってはイワナやヤマメなどを放流しているところも多いが、放流量の多いニジマス狙いなら釣果も確実だ。
設備としてはレストハウスや売店、軽食コーナー、トイレ、駐車場などがある。また、施設によっては釣った魚をバーベキューで味わうこともできるので、行楽気分で楽しむには最高の釣り場と言えるだろう。

●管理釣り場のルールについて

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管理釣り場では、利用する際のルールがいくつかある。
まず最初にチェックしたいのが、そこで楽しめる釣り方の種類だ。一般には、ルアーフィッシングとフライフィッシングを楽しめる施設が多いが、ニジマスを手軽に釣りたいなら「エサ釣り」ができる管理釣り場を選ぶとよい。河川を利用した比較的小規模な管理釣り場や釣り堀ではエサ釣りができるところが多く、こうした場所は家族連れやカップルなどで賑わっている。
また、エサ釣りの場合でも、使える竿の本数やエサの種類、持ち帰ることのできる魚の尾数などの制限を設けていることが多い。利用料金も時間制限や年齢によって変わるので、あらかじめ管理釣り場ホームページをチェックして諸々の情報をチェックしておくとよい。
季節的には施設が開業していれば一年中釣れるが、快適に釣りを楽しむなら真冬や真夏を避けた時期がお勧めだ。

●用意したい道具類

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【竿】
エサ釣りがOKの管理釣りでは貸竿を完備していることも多いので、最初はそれを利用するのもいいだろう。しかし、今後も末永く釣りを楽しんでいきたいのなら、ぜひ、自分用の竿を購入することをお勧めする。その場合、ニジマスだけでなく、ほかの川釣りや海の堤防釣りなどにも活用できる竿を選ぶとよい。
具体的には、長さ3.6〜4.5m前後の「渓流竿」がお勧めだ。竿は長いほど広範囲を探ることができるが、あまり長くなると操作性が悪くなってしまう。通常の管理釣り場なら、3.6mの竿でも十分に楽しめるはずだ。

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【エサ箱】
管理釣り場では、複数のエサを用意しておくと魚が食い渋ったときに対応しやすい。イクラやブドウ虫は容器に入って販売されているが、魚の切り身やミミズなどはエサ箱に入れておくと便利だ。

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【ビク】
釣れた魚を活かしておくためのビクは、写真のような川釣り用の網タイプが便利。釣りが終わったら、保冷剤や氷で冷やしたクーラーボックスで持ち帰ると鮮度を保つことができる。

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【ネット】
とくに大物を釣り上げるときには、ネット(玉網)ですくうと確実だ。レンタルしている管理釣り場もあるが、自分で用意するなら柄の長さが0.5〜1m前後のタイプを選ぶといいだろう。

●ニジマスのウキ釣り仕掛け

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流れの速いエリアではミャク釣りが使いやすいが、流れの緩やかなポイントなら玉ウキを使ったウキ釣り仕掛けが初心者にはお勧め。ニジマス釣りに限らず、渓流の釣りではラインは細いほうが何かと釣りやすいのだが、初心者の場合はライントラブルなどを考慮して太めのラインを使うといいだろう。ミチイトとハリスの結節は極小サルカンを利用するか、サージャンノットなどで直結にするとよい。

●仕掛けのパーツ類

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【ウキ】
流れに乗りやすく、ライン絡みのトラブルも少ない玉ウキが使いやすい。写真のような脚付きタイプなら、ウキゴム(ゴム管)をミチイトに通してから脚を差し込むだけなので、セットするのも簡単だ。ウキ下を調整する場合は、ミチイトとゴム管を手にそれぞれ持ってウキをスライドさせれば良い。

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【ガン玉】
オモリは粒状になっているガン玉を使用。割れ目の部分にラインをはさみ、指かプライヤー等で締め付けることでセットできる。サイズは3号〜Bを用意。実際に仕掛けを流してみて、玉ウキが沈まない程度にオモリを調整してみたい。

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【ハリ、ハリス】
ハリの種類は「マスバリ」や「袖バリ」の5〜7号前後を使用。ハリスは細いほうが警戒されにくいが、大物に備えて0.8〜1号程度のハリスが結んであるものを使えばOKだ。

●エサの種類

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【イクラ】
ニジマス釣りの定番エサで、管理釣り場でも買えることが多い。2粒ほどをハリに刺し通すのが基本。水に浸かってふやけてきたら、マメに交換することが大切だ。

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【ブドウ虫】
イクラで釣れない場合は、これを使うと効果的なことが多い。管理釣り場に置いていないことも多いので、釣具店で購入して持参すると良い。頭の部分からハリに刺し通して使用する。

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【ミミズ(キジ)】
川釣りの万能エサで、もちろんニジマスも釣れる。頭部の少し太くなっている部分にハリをチョン掛けにして使う。

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【魚の切り身】
ブドウ虫やミミズが触れない人は、魚の切り身を試してみると良い。魚はマグロの赤身を使うことが多いが、サンマ(写真)やサーモン、イカなどの切り身でも食ってくる。

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【その他のエサ】
管理釣り場では、常備エサとして練りエサやコーン(トウモロコシ)を置いているところもある。他のエサで食いが落ちた時に使ってみると楽しめそうだ。なお、エサの持ち込みが不可の施設もあるので、事前の確認を忘れずに。

●狙ってみたいポイント

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【トロ場】
ニジマスが放流された直後は、流れの緩い「トロ場」と呼ばれるポイントに溜まる傾向がある。平穏な養魚池で育ったニジマスは、できるだけ流れの緩いエリアで体を慣らそうとするためだ。放流直後は入れ食いも期待できる。

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【瀬】
状況にもよるが、ニジマスが流れに慣れるのは10〜30分ほど。こうなるとニジマスたちは徐々に流れのある「瀬」と呼ばれるポイントに移動する。瀬の流れ始めや流れ終わるスポット、流れに点在する川石などの障害物のまわり、堰堤の下などがとくに好ポイントとなる。初心者にはちょっと狙いにくいかも知れないが、仕掛けの操作に慣れてきたら積極的に攻めてみたい。

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【ポンドタイプの場合】
ポンド(池)タイプの釣り場は初心者でも釣りやすいが、ここでも流れのあるスポットが狙い目になる。とくに、取水口や流れ出しの周囲は一級ポイントと考えていいだろう。

●実際の釣り方

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【仕掛けの流し方】
ニジマスに限らず、魚はつねにエサの流れてくる上流側に頭を向けているので、狙った場所よりも少し上流側に仕掛けを投入する。ウキ下(ウキ〜ハリまでの長さ)は水深の1/2前後から開始して、アタリが出なければ徐々に深くしていくのがセオリーだ。ウキが水面になじんだら、竿でウキを引っ張らないように自然の状態で仕掛けを流していくのが基本。ただし、ニジマスは動くエサにも興味を持つので、ときどきラインを張ったり緩めてみたりしてエサに誘いを入れてみるのも有効となる。このとき、必ず誘いを止めて魚にエサを食わせるタイミングを与えてあげることが大切だ。

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【ウキ下の調整とアタリのパターン】
ウキ釣りでは、付けエサがニジマスが泳いでいるタナ(層)に流れることが重要。放流直後のニジマスは上層〜中層でもエサを食ってくるが、しばらくすると底層に沈んでしまうことが多いので、食いが悪くなったと感じたらウキ下を長めに調整してエサが川底を流れるようにしてやろう。
アタリは、ウキがピコピコと上下した後、じわりと水面下に沈むパターンが典型的。ただし、明確なアタリが出ない場合は、何らかのウキの動きを感じたら積極的にアワセを入れていく作戦も有効になる。

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【アワセとやり取りの方法】
何らかのアタリが出たら、確実に竿を立ててハリ掛かりさせてやろう。極端に大きなアワセは無用だが、中途半端なアワセだと魚がハリから外れてしまうことがあるので注意。
うまくハリ掛かりしたら、そのまま竿を立てた状態をキープすることで弾力が活かされて、ニジマスが徐々に寄ってくる。ニジマスの頭が水面に浮かべば勝負ありだ。竿を立てたまま自分が後方に下がって魚を岸辺にずり上げるか、誰か仲間がいる場合はネットですくってもらおう。

●もっと釣るためのアドバイス

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【放流直後が狙い目】
管理釣り場では定期的にニジマスを放流してくれるが、この放流直後はとくに釣れるチャンスとなる。エサはイクラでOKなので、放流した付近を集中的に狙ってみよう!

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【人が狙わないポイントを探ってみる】
放流したてのニジマスは、それほど工夫しなくてもどんどん釣れる事が多いが、時間が経過するにつれてだんだん釣れなくなってくる。そんな時には、誰も狙わないようなポイントを狙ってみるのが手。たとえば、ボサの茂った分流や大石の周囲といった仕掛けを投入しにくい場所は手付かずになっていることが多いので、ひとりで爆釣を楽しめることが珍しくない。

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【一歩下がって釣ってみる】
ニジマスは意外と警戒心が強い魚なので、人間の気配を感じるとエサを食ってこないことも少なくない。そこで試してみたいのが、川岸から後方に下がって釣ること。たったこれだけでも、いきなり釣れ始めることが多いのだ。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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