第1回目 シーバスフィッシングってどんな釣り?
これからシーバスフィッシングをはじめる人のために、まずはシーバスという魚の基本的なことを覚えてもらいたいと思います。シーバスはとても身近な場所で、ほぼ1年を通して釣ることができる魚なんです。大物が釣れる確率も高いし、とても美味しく食べられる魚でもあるんですよ!
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これからシーバスフィッシングをはじめる人のために、まずはシーバスという魚の基本的なことを覚えてもらいたいと思います。シーバスはとても身近な場所で、ほぼ1年を通して釣ることができる魚なんです。大物が釣れる確率も高いし、とても美味しく食べられる魚でもあるんですよ!
「シーバス」という魚のことを紹介しましょう。まずシーバスという名前は俗称で、正式な魚名は「スズキ」なんです。スズキはエサ釣りでも人気のある魚ですが、このスズキをルアー(疑似餌)を使って釣る場合に、シーバスという呼び方をするようになりました。シー(海)にいるバス(淡水のブラックバスが由来)を組み合わせた造語なんです。
シーバスの生態などの詳細はここ!
シーバスはとても身近な場所で釣ることができる魚なんです。港の堤防や岸壁、河川の護岸、磯、砂浜など、海辺であればどこででも釣れる可能性がある魚なんです。
ほぼ1年を通して釣ることができます。ただ、季節によってシーバスが釣りやすい条件などは変わりますけどね。とくに狙い目になるのは春先の3月から6月くらいまでと、秋の9月から12月くらいまでの時期です。
おもに釣りをするのは夜が多いんですけど、じつは日中でも釣れるんです。季節や地域、釣る場所、釣り方によっても時間帯は変わります。じゃあ、いつ釣りに行けばいいのって思うかと思います。それを知るためのおすすめの方法としては、釣りをする地域の釣具店で、買い物をしたときに聞くことです。釣り場の情報なども、教えてもらえることがあります。また、釣りの情報を集めたインターネットのサイトを利用するのもおすすめですよ。
今回紹介した話のまとめになっちゃいますけど「1年を通してとても身近な場所で釣りができる」っていうのが一番ですよね。あとは、たくさんの種類のルアーを使って、いろんな方法で釣りができることも、この釣りの楽しさといえます。そうそう、大物が釣れるのもシーバスフィッシングの魅力です。40~60センチのシーバスを狙っていても、80センチ5キロなんて大物が釣れる可能性があるんです。とても夢のある釣りだと思いませんか?
今回はシーバスを「どこで」、「どうやって」釣るのかということを紹介したいと思います。シーバスフィッシングは、釣りができる場所や釣り方がたくさんあります。その中には入門者向けから上級者向けまでいろいろとあるので、今回は入門者向けの「オカッパリ」をメインに紹介したいと思います!
オカッパリ
ウエーディング
ウエーディング
ボートゲーム
ボートゲーム
シーバスフィッシングのスタイルは大きく3つに分けることができます。まず今回メインでお話をする岸から釣る「オカッパリ」というスタイル。そしてちょっと上級者向けの「ウエーディング」という、膝から腰くらいまで水に浸かって釣るスタイル。そして船に乗って釣りをする「ボートゲーム」です。
オカッパリのシーバスフィッシングとは、港の堤防や岸壁、河川の護岸、砂浜、磯など、ようは岸から釣りをするスタイルのことです。この中でも一番手軽な場所が「港の堤防や岸壁」と、「河川の護岸」です。足場が良い場所がほとんどなので、基本的な安全装備を用意すれば、手軽にシーバスフィッシングを楽しむことができます。
ウェーディングは、腰くらいまで水に入っても濡れないウェーダーを着用して、水の中で釣りをします。干潟や河川などがおもな釣り場となります。水の中に入るため、安全にはとくに注意する必要があります。海底にいるエイなどで怪我をする危険性もあり、シーバスフィッシングの中では上級者向けの釣りといえます。
ボートゲームは船に乗ってシーバスフィッシングを楽しむスタイルです。ボートゲームはオカッパリと同じくらい手軽なシーバスフィッシングで、じつは入門者にもおすすめできます。船長が釣れるポイントへ連れて行ってくれますし、アドバイスしてもらうこともできるからです。ベテランも楽しめる釣りですが、じつは女性や子供でも気軽に挑戦することができるんです。
ここではロッド(竿)やリールなど、シーバスフィッシングに必要な釣り道具を紹介します。シーバスフィッシングはとてもシンプルな釣りなので、道具も必要最低限を揃えるだけで楽しめるんです!
ロッドとリール
第2回目で紹介したように、シーバスは色々な釣り方があり、それぞれに専用のロッドが用意されています。まず入門編として、オカッパリからシーバスを狙うときに使うロッドの長さは、9フィート(2.7メートル)を基準にして選べば良いでしょう。リールは2500~3000番クラスで、ロッドとバランスのとれるサイズのスピニングリールを組み合わせます。ロッドとリールのバランスについては、釣具店で購入時に確認してくださいね。
リールに巻くメインのラインは、PEの1号を使います。そしてPEラインの先にショックリーダー(先糸)を結束します。このショックリーダーはナイロンの5号(約20ポンド)を使います。リールに巻いたPEラインを直接ルアー(スナップ)に結んで使うとトラブルが起こりやすくなるで、ショックリーダーを必ず結ぶようにしてください。
メインラインとショックリーダーの結び方
スナップ
ショックリーダーの先にはスナップを結びます。スナップはルアーがすぐに交換できる便利な道具です。サイズがあるので、使うルアーなどに合わせて使い分けます。選び方が分からなければ、釣具店で相談しましょう。さて一番重要なルアーですが、これは別項で詳しく紹介します。
ショックリーダーとスナップの結び方
シーバスフィッシングを楽しむためには、ロッドやリール以外にも必要な道具があります。とくに安全装備であるライフジャケットは抜かりなく準備しましょう!
ライフジャケット着用
その1・ライフジャケット
シーバスフィッシングに限らず、釣りをする上で絶対に着用しなければならないのがライフジャケットです。日本語にすると救命胴衣ですが、その名の通り自分の命を救ってくれるものなので、どんな場所でも、どんなに手軽な釣りでも、かならず着用するようにしましょう。ライフジャケットは、浮力体の入った「固形タイプ」と、ガスによって膨らむ「膨張タイプ」があります。使い勝手が異なるので、好みで選んでください。
その2・ライト
ライトは頭に装着できるタイプ(ヘッドランプ)が使いやすいですね。最近は頭に装着するよりも、首に掛けて使う人も増えています。万が一に備えて、予備を持っておくのもおすすめです。
プライヤー
その3・プライヤー
プライヤーは釣れたシーバスの口からルアーのフック(ハリ)を外すときに使います。シーバスは暴れるので、素手でフックを外すのは危険ですし、硬い部分に掛かったフックは、プライヤーでないと外しにくいものです。フックを外す以外にも、ルアーについているスプリットリングの交換や、ラインの切断、フックが曲がってしまったときの修正などにも使います。新たに買うのなら、釣り専用が多機能になっていて便利です。
ランディングネット
その4・ランディングネット
ランディングネットは、釣れたシーバスをすくうための網です。釣り用語では玉網(たまあみ)とも呼ばれています。ランディングネットは網の枠が大きめのものが、シーバスフィッシングには最適です。枠が大きいと魚がすくいやすいので、とくに初心者にはおすすめです。ランディングネットのシャフトは伸縮式になっているものが多く、その長さは多種用意されています。選ぶ基準は水面までの距離となります。大潮の干潮時を最長として選ぶと良いでしょう。
シーバスフィッシングを楽しむうえで守って欲しいルールやマナーがあります。基本的に他の釣りにも共通することばかりですので、すでに釣りを楽しんでいる人も、再確認のためにも目を通して覚えてくださいね!
◯ルール&マナー・その1
「立入禁止場所では絶対に釣りをしないこと」
都市部に近い港湾部は企業敷地なども多く、大抵は立入禁止となっています。立入禁止場所は、その旨が看板で掲示されているし、車止めやフェンスなども設置されています。そのような場所では、絶対に釣りをしないのはもちろんのこと、立ち入らないようにしてください。もし釣りをして良いのか判断に迷うような場所は、近くの釣具店で買い物の際に聞いてみると良いでしょう。
◯ルール&マナー・その2
「ゴミは必ず落ち帰ろう」
釣りに限ったことではありませんが、自分が出したゴミは持ち帰るようにしましょう。もし釣り場にゴミ箱が設置されていても、休日などはあふれかえることも珍しくありませんので、極力持ち帰ることをおすすめします。なお、釣具を事前にパッケージから出して釣り場へ行くなど、現地でゴミを出さない工夫をすることも重要です。
◯ルール&マナー・その3
「迷惑を掛けないようにしよう」
釣りをする上での迷惑行為の筆頭は車の駐車です。路上駐車、そして港湾作業や漁業用のスペースに無断で駐車するのは絶対にやめましょう。どこに駐車すれば問題ないかというのも、やはり地元の釣具店で聞くのが一番良い方法です。釣り場近くに民家がある場合は、深夜早朝の車のアイドリングやドアの開閉音、話し声などにも気をつけましょう。停泊している船やロープなどにルアーを引っ掛けないようにすることも大事です。
◯ルール&マナー・その4
「あいさつをしよう」
人気のある釣り場は人も多いので、そのような場所で釣りをするときには、となりの人にひと声かけてから釣りをしましょう。釣り人によって、釣りをするためのスペース(人との間隔)には差があるので、ひと声かけることでトラブルを未然に防ぐことができます。また、最初にあいさつをしておくことで、釣りの途中で情報交換ができるなどのメリットも生まれてくるものです。釣り場では、港湾関係者や散歩している人などにもあいさつをして、気持ちよく釣りを楽しみましょう。
◯ルール&マナー・その5
「夜釣りのときは日中に下見を」
シーバスフィッシングは夜に釣りをすることも多いのですが、できるだけ明るいうちに釣り場へは入るようにしましょう。とくに初めての釣り場へ夜になってから行くのは、とても危険です。最初のうちは2人以上で夜釣りに行くことをおすすめします。さまざまな危険やトラブル防止の他に、シーバスが釣れたときにランディングネットですくってもらうこともできるからです。
◯ルール&マナー・その6
「天候と海況の急変に注意しよう」
釣りへ行く前には、必ず天気予報をチェックします。天候が悪化する予報であれば、釣りへ行くのはあきらめましょう。また、釣りをしているときも、海や風、雲の動きを気にするようにしてください。まだこれくらいなら大丈夫と思わず、天候が悪くなりそうだと感じたら、早めに安全な場所へ移動するか、釣りをやめるようにしましょう。
◯ルール&マナー・その7
「河川の遊漁料を確認すること」
河川で釣りをする場合は、場所によって遊漁料が必要となります。どこから遊漁料が必要になるか分からない場合は、地元の釣具店で確認しましょう。また河川によっては禁漁期間や禁漁区が決められていることもあるので注意が必要です。
*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)