テナガエビ釣り

テナガエビ釣り
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釣りシーズン ベストシーズン 釣れる

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特徴

近年人気が急上昇しているのが、都市河川などで手軽に楽しめる「テナガエビ釣り」。その魅力は、エビ独特のスリリングな釣趣と食味の素晴らしさにある。この愉しきターゲットと遊ぶためのノウハウを紹介していこう!

●テナガエビ釣りの魅力

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この釣りを体験したことのない人は、「エビなんか釣って、どこが楽しいの?」と不思議に思うかもしれない。しかし、アタリが出たあとのスリリングな駆け引き、テナガエビ特有の小気味よい引きは、普通の魚釣りではなかなか体験できないワクワク感がある。20㎝級の大物がハリ掛かりすると「これがホントにエビ?」と、ビックリするほどのファイトも楽しめるのだ。
そして特筆すべきは、その食味のおいしさ。甘く、プリプリとした食感は、唐揚げや塩焼きなどで絶品なのだ。こんな貴重なターゲットが、都心からほど近いフィールドで狙えるのだから、チャレンジしない手はないだろう。

●テナガエビ釣りのフィールドと季節

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テナガエビは全国の河川で釣ることができ、近年のテナガエビ釣り人気のおかげで、各地でこの釣りを楽しむ人が急増している。穴場的な場所もあるが、最初は実績のある人気釣り場に出かけるのがいいだろう。たとえば、東京なら荒川や多摩川など、大阪なら淀川といった都市河川でも楽しむことも可能だ。なお、場所によっては遊漁券が必要な場合もあるため、事前に地元漁協に確認しておきたい。
シーズン的には、テナガエビが産卵のために浅場へやってくる5〜7月頃がベストで、エリアによっては9月頃まで釣れるケースもある。

●テナガエビ釣りに使用する竿

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この釣りでは、とにかく穂先の軟らかな竿を選ぶに限る。竿先が硬いとエビがすぐにエサを離してしまうのだ。その意味で、川釣り用の小物竿が、テナガエビ釣りでも一番のお勧めだ。店頭で購入する場合は、穂先を曲げてみて一番軟らかいものを選ぶといいだろう。竿の長さは、釣り場の状況に応じて1.2〜3m程度のものを使い分けたい。

●テナガエビ釣り仕掛け

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テナガエビ釣りの定番は、玉ウキを使ったウキ仕掛け。オモリは、ウキの浮力よりも重いものを装着することがコツだ。

●仕掛け作りに必要なパーツ類

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【ウキ】
直径9〜15㎜程度の玉ウキをエビの活性や状況に応じて使い分ける。ゴム管でミチイトに留められる脚付きタイプが便利だが、イト絡みのない中通しを使う人も多い。

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【オモリ】
浮力の微調整がやりやすいのは板オモリ。交換が簡単なのはガン玉(とくにゴム張りタイプ)。3号〜4B程度を小物ケースに入れて持参したい。

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【ハリ】
基本となるエビバリのほか、袖や秋田狐などでもいい。いずれも、大きさは1〜2号を使用する。釣れるエビのサイズが小さめの場合は、タナゴバリも選択肢になる。

●使用する主な付けエサ

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【ミミズ】
定番のエサ。ハリに付けるときは、米粒大に小さくカットして通し刺しにするとよい。よく切れるカッターを持参して、それで細かく刻むといいだろう。

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【アカムシ】
食い込みが抜群のエサ。ただし、体液が抜けてしまうと食わなくなるのでマメなチェックが必要。ハリ付けはチョン掛けが基本。

●テナガエビが釣れるポイント

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消波ブロック周辺、ゴロタ場

河岸に石が並ぶゴロタ場や捨て石帯、消波ブロックの周辺などは、テナガエビにとって最高の隠れ家。とくに、日中のテナガエビたちはこうした障害物の暗がりに隠れて、目の前に流れてくる(落ちてくる)エサを待ちかまえているのだ。ただし、ブロックの上に乗っての釣りは危険なので自粛したい。

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乱杭まわり、水草のきわ

曇天時やまづめどきなどの好条件時には、テナガエビが平場に出てエサを探し回る。そんな場合も、乱杭などの障害物まわりを狙うのが基本となる。また、河岸に繁茂する水草の周囲も見逃せない。湖沼の場合は、アシ原のきわなども狙い目になる。

●テナガエビが釣れる条件

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テナガエビは夜行性が強いため、釣りをする時間としては朝か夕方がベストタイムだ。ただし、曇天や雨で薄暗い日なら、日中でも盛んにエサを食ってくる。
また、潮の干満の影響を受ける河川では、潮が適度に動いている時間帯がチャンスになる。ただし、あまり流れが早いと釣りにくいので、事前にタイドグラフをチェックしておこう。
さらに、水の濁り具合によっても、テナガエビの活性は変化する。理想は、適度な「ササ濁り」の状態。水が澄んでいるときよりも、明らかにエビの活性は高くなる。

●実際の釣り方

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テナガエビ狙いでは、つねにエサが水底にあるようにして釣ることが基本になる。したがって、ウキ下(ウキからオモリまでの距離)は水深と同じか若干短めにしてウキが少し沈むぐらいに調整するとよい。
仕掛けを障害物のきわに投入し、しっかりとオモリが底に着いているかを確認してからアタリを待つ。仕掛けを投入してもしばらくアタリがない場合は、竿先を軽く上げて付けエサを持ち上げ、再度着底させてエサの存在をアピールさせよう。
最初のアタリはエビがエサをつかんだだけのシグナルなので、その後にウキが横(または斜め下)に移動して、上下にゆっくりと動き始めたときが竿を立てる「アワセ」のタイミングだ。ただし、あんまりのんびりウキのアタリを眺めていると、障害物に潜り込まれて厄介なことになる。そこで、障害物の多い場所では、ある程度ウキが動いたら竿先をゆっくりと上げて、その場でエビにエサを食わせてやるのがコツだ。

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そして、この釣りの最大の山場はアワセ。普通の魚釣りのようにピシッ!という強いアワセは厳禁で、竿先をジワジワと持ち上げていくのが第2のコツになる。このとき、テナガエビはせっかく捕らえたエサが、まるでゴムヒモで引っ張られている状態になって非常にイライラしている状態だ。ここで、エビがゴムヒモに負けじと慌ててエサを口にすると、その瞬間、柔らかな竿先の弾力のおかげで、短いハリ先が瞬時にエビの口元を貫いてくれる。あとは、エビ独特の「ツンツン!」という心地よいファイトを楽しみながら抜き上げよう!

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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