細長い紡錘形の体型で、ムロアジに似たスマートな体型をしているが、ムロアジよりはやや体高がある。頭部は小さく、眼はやや大きく、口は小さい。
体色は、生きているときは背側が青緑色、腹側は銀白色となっている。しかし、死ぬとみるみるうちに赤味を帯びるので、水揚げされて鮮魚店などに並んだタカサゴしか知らない人には、泳いでいる姿は別の魚のように見える。しかし、生きていても、夜間の休息時、興奮しているときなどには赤味を帯びた体色に変化する。
体側には黄色の縦線が2本あり、下側の線が側線より下にあることが特徴だ。
尾ビレは大きく二叉し、上葉、下葉の先端は黒っぽい。腹ビレ、尻ビレ、背ビレは赤みを帯びた半透明か白。背ビレ10棘14~16軟条、尻ビレ3棘11~12条。成魚の全長は約30㎝ほど。
ニセタカサゴとよく似ているが、2本目の縦線が側線より上を走っていることで区別できる。イッセンタカサゴは、体側の線の太さや色がタカサゴより細いか不明瞭。クマザサハナムロは、ほかのタカサゴ属の魚は尾の両葉の先端が黒いのに対して、両葉の中央部が黒く、八の字のように見える。また、平素から腹側が赤みを帯びている。
いずれの種類も、タカサゴと同様に食用にされる。