●大物五目ルアーのターゲット

【マルタ】
関東以南に生息するコイ科の魚。体長は平均50センチ、最大では70センチ・３キログラムに迫り、都市河川における貴重な大型ターゲットといえる。ただし、産卵期の春に河川を遡上し、中流域で産卵すると再び海に下っていくため、釣れるシーズンは桜が開花する頃の限定となる。

【ウグイ】
全国の河川に生息する。マルタに似ているが、口先がやや尖っているのが特徴（マルタは丸い）。また、春の産卵期になると体色が婚姻色に染まるが、マルタの婚姻色が黒帯一本なのに対し、ウグイは黒帯が２本に別れてその間と上下に３本の赤系の線が出る。降海型の大きな個体は体長40センチ以上に成長する。

【ニゴイ】
コイをスマートにした体型が特徴的。魚食性が強く、ルアーにも果敢にアタックしてくる。最大で70センチにも成長し、かなり強烈なファイトを楽しませてくれる。

●用意したい道具

【ランディングネット】
確実に取り込むにはやはりネットが一番。リリース前提なので、魚の粘膜やウロコに優しいラバーネットがお勧め。

【長靴、ウエーダー】
長靴でも十分に楽しめるが、魚を探して川を渡ることもある場合はウエーダーを着用すると便利だ。

【偏光グラス、帽子】
魚を探して釣るのが基本なので、水面のギラつきを抑える偏光グラスとツバのある帽子は必携。安全や日よけのためにも着用しておきたい。

【ルアーのフックについて】
魚へのダメージを最小限にするために、ルアーのフックはシングルタイプとし、さらにバーブ（かえし）をプライヤーで潰しておくとよい。こうすることでフッキング性能もよくなるし、手返しが早くなるメリットもある。

●実際の釣り方

まず、ポイントの正面かやや下流側に立ったら、ポイントの上流側にルアーをキャストし、着水後はゆっくりと一定の速度で引いてくるのが基本。こうすることによって、下流方向へルアーが川底を転がるように流れていき、ラインが張られるにしたがって流れの中をターンすることになる。通常、このターン直後にヒットする場合が多いので心の準備をしておこう。
また、深場を狙う場合は、ポイントの上流側にルアーをキャストしてから、そのまま流れに乗せてルアーが底層まで沈んだあたりからリトリーブを開始する。活性の高い魚がいれば、リトリーブ直後でのヒットも多い。

【アワセ〜やりとりの方法】
アタリはいきなり竿先をひったくったり、ゴツゴツと手元に伝わっきたりといろいろなパターンがあるので、何らかの違和感があったら確実に竿を立ててアワセを入れよう。
魚がハリ掛りすると勢い良く走りだすことも多いが、できるだけ竿を立てることで竿の弾力が活き、魚の走りを弱めることができる。相手が流れに乗って走りだしてしまったら、無理しないで竿の角度をキープした状態でリールからラインが出るのに任せるのがいい。魚が弱って走りが止まったら、慌てずにリールを巻いて寄せてくる。これを繰り返せば、さすがの大物も徐々に寄ってくるはずだ。取り込みは、魚を誘導して浅場にずり上げるか、落ち着いてネットですくえばよい。
身近な都市河川で大物を釣り上げた瞬間、釣りという素晴らしき趣味の醍醐味に大感激することだろう！

●ビギナーが確実に釣るための裏ワザ

魚の群れの活性が低い状況では、魚の鼻先にスプーンやミノーなどを送り込んでも食わないケースがある。そんな渋い状況では食わせのテクニックを駆使する必要があるが、ビギナーには少々ハードルが高くなってしまう。
そこで覚えておきたいのが、エッグ（卵）を模した擬似エサを使う裏ワザ。写真のように小型のスプーンをオモリの代わりにして、そこからリーダー（ナイロン６〜８ポンドを30センチほど）を介してワームフックを結び、フックにエッグボールを刺し通せば仕掛けの完成だ。
使い方は、仕掛けをポイントにキャストして、川底をゆっくりと転がすように引いてくるだけ。マルタなどの遡上魚は、本能的に目の前に流れてきた卵を口にくわえる習性があるので、ビギナーにも釣れる可能性が非常に高くなるのだ。