カジメ風呂

カジメ風呂
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釣り方

●釣りの疲れを自宅の温泉で癒す

日本人は、風呂好きな民族だと言われる。そして、幸いにも日本には釣り場の近くに温泉があることが多く、釣りで疲れた身体をじんわりと癒やすことができる。とはいえ、家族全員で毎回温泉を利用するのも意外と出費が重なってしまう。
そこで、試してみたいのが、自宅のお風呂を温泉にする方法。といっても、単純に海岸で拾った「カジメ」を浴槽に入れるだけなのだが、これがじつに気持ちいい。寒風の中で釣りをした後などは、芯まで凍えた身体をじんわりと温めてくれるのだ。

●肌もしっとりになるから、女性にもオススメ?

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カジメというのは、直径2㎝ほどの太い茎の先にホウキのように茶色い葉がついた海藻で、コンブの仲間である。本来は別の種類だが、アラメと混同している地域もある。どちらも葉の厚い硬めの海藻だが、この葉っぱをゆでてから刻んで味噌汁やラーメンなどの具にするとネバネバのトロロ状態になり、かなり美味だ。
また、カジメに含まれている良質のヨード成分やアルギン酸は、無駄な脂肪分を分解して肌をしっとりなめらかにするだけでなく、ダイエットや神経痛、傷病にも効能があるとされている。たとえば房総半島では、このカジメを入れた風呂を名物にしている旅館もあるのだ。
カジメを入手するには、海岸に打ち上げられているものを拾うのが簡単。ワカメやヒジキなどは漁業権で採取不可とされていることが多いが、海中でちぎれたカジメが海岸に流れ着いたものを拾う分には、ほとんどの場合問題ない(地域によっては、これすら認めないところもあるみたいなので、地元の漁協に確認しておこう)。

●カジメ風呂の利用方法

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カジメ風呂は、浴槽に沸かしたお湯に洗ったカジメをネットなどに入れて30分ほど浸けるだけ。ゆず湯などと同じ要領だ。カジメを入れると、徐々に海の香の漂う琥珀色の温泉になってくれる。より濃厚なエキスを欲張るなら、鍋でカジメを煮出して、その汁をお風呂に混ぜてもOK。本当に肌がスベスベになるから、女性にもオススメだ。ただし、まれに肌にかゆみを感じる人もいるそうなので、カジメの量を調整しながら楽しみたい。
なお、カジメの煮汁は染色にも使えるほどなので、タオルは専用に用意するのが無難。また、多少の塩分が風呂釜を傷める可能性もあるので、追い炊きはしないで楽しむほうがいいだろう。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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